小出絹恵税理士行政書士事務所

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皆様と小出絹恵(シルク先生)をつなぐ会計・経営・税務総合情報

現在は情報を「知る」ことの大切さ、
それを自分の目で「見る」好奇心と
行動力が求められている気がします。

大切なお客様に少しでもお役に立てればとの願いを込めて
「知る」と「LOOK(見る)」と絹(silk)でつむぎました。

年末資金のご準備は? 2009年11月号

年末資金のご準備は早めに!

今年もそういう季節になりました。
会社の年末資金の手当てはお済みですか。
経済環境はまだまだ危うくて、先の売上見込みに不安を感じておられる社長様も多いのではないかと思います。
「今はまだ大丈夫だけれど・・・」という社長様も、早めに資金手当てをされておくのにこしたことはありません。
「毎年借りているから大丈夫!」とは思いますが、
今年も借りられるかどうかは、実際のところは
申し込んでみなければ分かりません。
融資の審査が下りてさえいれば安心というものです。
融資実行の日は任意にすることも可能なのですから。
融資をお考えの社長様は、今すぐ融資のご相談を!


日本政策金融公庫に変わりました

「『日本政策金融公庫です。』と言って電話をしても、切られてしまうのですよ。」
日本政策金融公庫の社員は、今、昔から馴染んだ名称が変わったことでかなり苦労をしているようです。

国民金融公庫が国民生活金融公庫に変わったときは、それ程でもなかったようですが、2008年10月1日に株式会社日本政策金融公庫に変わったことは、その時の比ではなくて、先の電話のように、「うちの会社は、そんなに大きな金融機関とはご縁がありませんので。」と言われて、話も聞いてもらえないうちに、電話を切られてしまうことがあるのだそうです。

日本政策金融公庫は、日本政策投資銀行に似ていますから、勘違いし易いのでしょうね。
正直、「国金、こくきん」と言っていた頃と比べると、名称に馴染みがないのは事実で、私がお客様に融資のご説明をさせていただくときでも、「昔の国金、今は日本政策金融公庫って言うのですけれども・・・。」といちいちお断わりさせていただいてからご説明させていただくようにしています。
いくら「日本公庫」と呼んで下さいと言われても、その略称も耳慣れていないところではあります。


意外と使える融資制度!

日本政策金融公庫が行っている“セーフティーネット貸付”をご存じですか。
政府の緊急経済対策の一環として、行われている今年度限り(来年3月まで)の融資制度で、結構使えると思います。

日本政策金融公庫の融資というと、「保証人が必要なのでしょう?」と聞かれますが、最近は、第三者保証がなくても借りられるようになっています。それが、上乗せ金利です。

セーフティーネット貸付では、通常の金利に年0.3%の金利を上乗せすることで、第三者保証人が不要となるのです。
考えてみれば、通常の借入れの場合には、信用保証協会を使うので、銀行に対す金利の他に、保証料がかかることが多いわけですが、日本政策金融公庫からの借入れには、信用保証料がかかりませんから、この上乗せ金利を払えば、第三者保証人は不要となる、この制度はお客様からは好評です。

それと、“おまとめローン”が便利です。複数回にわたって借入れをしているような場合には、元本返済が高額になりがちですが、これを一本の借入れにまとめて、返済期間を延ばして、毎月の返済額を減らすことができます。
通常、売上が下がると、⇒返済額は変わらない⇒資金不足⇒また借入れ⇒返済額が増える、という悪循環に陥りがちです。おまとめローンは、この問題を解決してくれる方法でもあります。

旧国金の借入れというと、既存の借入金の返済が半分以上進んでいないと、次の借入れができないのですが、今回のセーフティーネット貸付は特別で、7割8割残っているような状態でも、次の融資や“おまとめローン”を検討してくれるそうですので、ご相談されてはいかがでしょうか?

書面添付をすると税務調査が省略されることもあるって本当?! 2009年10月号

Q1“書面添付”って何ですか?

A1.税理士が、皆さまの会社の税務申告書を作成して税務署に提出するときに、申告書に“ある書面”を添付することを言います。

この書面というのは、税理士法第33条の2に規定する書面で、
税理士が税務申告書を作成するときに、
「計算し整理し、相談に応じた事項」について記載することに
なっているものです。

通常の税務調査は、税務署から事前に電話があって、
調査の日時、場所の調整がされますが、
書面添付がされている申告書の場合には、税務署は、
会社への税務調査に先立って、
まず書面添付をした税理士に対して、意見聴取を
行なわなければならないことになっているのです。
この書面添付と意見聴取とをセットにして、新書面添付制度と
言っています。

Q2.税務調査がなくなることもあるって本当?!

書面添付をしたからと言って、必ずしも税務調査が省略される
というものではありません。

上記のように、書面添付がされている申告書に対する
税務調査は、会社への実地調査に先立って、税理士から意見を
聴くことになっているので、その税理士に対する
意見聴取の結果、疑義が晴れれば、結果として会社への
税務調査が無くなることもあるということです。

ちなみに、意見聴取の結果、税務調査が省略された率は
17.18.19年度平均で3割強となっています。

今年の7月10日から意見聴取の結果、調査が省略された場合には、「意見聴取結果についてのお知らせ」(いわゆる調査省略通知)が発行されるようになりました。

Q3.具体的にはどう書くのですか?

具体的にどう書くかというと、

まず、税理士が作成した帳簿の種類を書きます。

それと、その帳簿を作成するために、税理士が確認した書類
(現金出納帳、預金通帳、会計伝票、当座預金照合表、領収証綴、請求書、請求書控、売掛買掛集計表、棚卸表等)や会社から提示を受けた書類(残高証明書、各種契約書、議事録等)を記載します。

さらに、主要な勘定科目について、
どのような方法で確認してどう整理し計上したのかについて
記載します。

例えば、
「売上高は毎月売掛集計表と預金通帳にて確認している。
値引き、相殺や振込手数料の起票も誤りがあれば、
その都度訂正していただき、期末には、翌期首の請求書控えも確認して、〆後の請求分も含めて適正に売上に計上されていることを確認した。」

「役員報酬については、期首2ヶ月目より前期比で
月額10万円増額されているが、定時株主総会で決議され、
期末まで変更がないことを確認し、定期同額給与金額で
あることを確認した。」

「修繕費については、月次の確認のほかに、
決算にて資本的支出等、資産に計上すべきものの有無を再度確認した。」という具合です。

上記はほんの一例ですが、
書面添付を見た金融機関の方は、
「これ大変ですね。この書類を書くためには、よほど税理士さんがしっかりと会社のことを把握していなければ書けないと思いますよ。」との感想をいただきます。

書面添付がされていると、融資の金利を下げてくれる
金融機関もあります。

見たことないけれど・・・???

「“書面添付?”初めて聞きました。」という方も
少なくないのではないかと思います。

それというのも、書面添付をされている申告書は
平成17年4.9%、18年5.4%、19年5.7%でしかありません。

ですから、皆さまが目にしていないのも当然なのです。

しかし、今年からちょっと事情が変わります。

国税局と日本税理士会連合会とが合意して、新書面添付制度を積極的に活用していくことになったのです。
税務調査が変わるかもしれません。

中小企業は“日本の宝!!” 2009年夏

長寿企業数ダントツの世界一

日本の各地には、老舗と言われる会社が沢山あります。
ギネスブックにも載っている世界最古の長寿企業は
日本の株式会社金剛組で、
何と飛鳥時代西暦578年の創業というから驚きです。

事業内容が“社寺建設”と聞いて頷けるところです。

ところで、業歴200年以上の企業を長寿企業とすると、
世界の長寿企業の数は7,212社(57国/地域)となり、
そのうちの3,113社、率にして43.2%が日本の企業だと言うのです。
2位はドイツで1,563社、
3位はフランス331社、
4位がイギリス315社、
5位オランダ292社、
6位オーストリア255社、

ちなみにアメリカは88社で11位となっています。
(光産業創生大学院大学 後藤俊夫教授 講演2009.7資料より)

老舗企業の多い地域は?

業歴100年以上の企業を老舗企業とすると、
どの地域が一番多いと思われますか。

伝統と革新性を兼ね備えた京都が一番多いのではないかと思ったのですが、
なんと東京が一番だそうです。

やはり、数の上では、江戸時代までよりも、
明治以後に創業した会社が多いからのようで、聞いてみれば納得ではあります。

老舗は信頼のブランド!

“老舗”と聞くと、何となく有難い感じがするのは、
日本人だからでしょうか。

日本人にとって、老舗はブランドです。私たち日本人は
「元祖○○」とか、「創業寛永○○年」というのに弱いですよね。

もっとも、元祖これって、私だけ長年、
守り続けられてきたものに対してブランドとしての価値を見出すことができます。
 したがって、その信頼を裏切るような行為に対しては、
より厳しい目が向けられることになります。場合によっては、
企業の存続さえ危ぶまれるような状況に
追い込まれることもあります。
赤福、白い恋人・・・、以前は大丈夫だったということが、将来に対する何の保証にもならない時代になったのです。

最近、こういう事件が頻発していることを見ても、その傾向が窺えます。
 企業の規模に関係なく、外でも内でも企業倫理、
順法精神が求められる時代になっているのだと思います。

変わらないということ!

変わらない品質、変わらない味というのは、ただ単純に、
ずっと同じということではないのだと思います。

「お客様から“変わらない味”と言っていただくために、
お客様の嗜好に合わせて、砂糖の量をずいぶんと減らしてきています。」と、
ある老舗の和菓子屋さんからお聞きしました。

消費者の味覚の変化に合わせて、砂糖の使用量、味のバランスを変えていかなければ、
お客様にとっての変わらない味にはならないのですね。

あのキティーちゃんも、時代の変化に合わせて、実は顔が変わっているそうです。
企業が継続するためには、ただ守っているだけではだめなのだと思います。

“変えてはいけないもの”と“変えなければならないもの”、その両方が必要なのだと思います。

少しずつ、成長しつづける

マネー資本主義、お金が全てというマネー至上主義には、肯定しがたい私です。
規模を大きくすることだけが“成功”というわけでもないと思います。

規模を求めるのもよし、そうでないのもまたよし。
いろいろな価値観があって良いと思います。

マネーに追われるよりも、心の平安、家族の幸せ、社員とその家族の幸せを守ることを第一に、投機的なことはせず、
借金もできるだけしないで、
利益の蓄積による内部留保で、身の丈に合った安心経営を行う。

そういう経営をすることができれば、それも素晴らしい経営です。
いつも追い立てられるように、マネー、拡大と心身ともに
休まることのない生き方を続けるよりも、ずっと人間的で居心地の良い生き方だと思います。

中小企業は日本の宝!

 真面目にこつこつと良い物を作ってきた日本の中小企業です。

世界に冠たる日本の中小企業が見直されています。社長の皆さんは、
自分たちの価値を再認識され、従業員(職人)の皆さんと共に、
誇りを持って生き生きと事業(実業)に励んでいただきたいと思います。

 その事業がお子さん、お孫さんなどのご親族や社員へと承継されていくことによって、
優れた技術、雇用が守られるのだと思います。
日本の雇用を支えているのも中小企業の皆様なのですから。

困難の無い人生は無難な人生! 困難の有る人生は有難い人生! 2009年7月号

勇気のわく一言!

「困難の無い人生は無難な人生。
困難の有る人生は有難い人生」

この言葉に出会ったとき、妙に納得し、感心しました。それと同時に、“人は言葉一つで前向きになれるものだ”ということにも改めて氣づかされました。
 とくに、言霊(ことだま)という言葉があるように、日本人には“言葉の力”を感じる感性があると思います。ですから、もし今、困難にぶつかっていらっしゃる社長様がいらしたら、この言葉を繰り返し味わってみてください。どうですか、勇氣がわいてきませんか。

人生山あり谷あり!

 人生、山あり谷ありと言いますが、生きていればいろいろなことが起こります。
 嬉しいこと、楽しいことばかりの人生なんてあるはずがありません。そんなことは皆知っています。そもそも幸福の中に居る時は、人はそれに気付かないものです。無くして初めてその有難みに氣づく、その繰り返しではないでしょうか。

 毎日大変だけれど、大変だからこそ、その苦労が報われたときの喜びも大きいのです。ご褒美はたまに頂くから有難いのかもしれません。そんなことみんな分かっているのですが、ついつい忘れがちです。日常の繰り返しの中にある幸せ、喜びを思い返して、未来の糧にしませんか。視点を変えれば、違った姿が見えてきます。未来も変わる予感がしてきます。

柳に風は強い!

  日本の社長は、逃げられません。
“会社の借金は社長の借金!?”会社が借金をするとき、社長様方はその連帯保証人にさせられます。
大企業の社長は、経営に失敗したら、社長の座を退けばすみますが、中小企業の社長様方は、経営の失敗は会社の倒産⇒社長の個人破産へと繋がってしまいます。“会社と社長は一心同体!”というのが、日本の中小企業の社長様の姿です。

 だから、問題が起こる度に一喜一憂し、真正面から向き合っていたのではとても身が持ちません。少々のことは柳に風で受け流すくらいの方が、強いのです。
 「大変だ! 大変だ!」と言いながら、まるでそのことを楽しんでいるかのように、
臨機応変に対応している社長様がいらっしゃいますが、きっと、そういう社長様が本当に強い社長様なのだと思います。

キャッシュを多く!

 一部では最悪期を脱したと言われ、株価も上向いてきていますが、まだまだこの先不透明です。こういう時には、とにかく、キャッシュを確保しておくことが大切です。
 棚卸資産も現金・預金(キャッシュ)も同じ資産(流動資産)なのですが、利用価値が違います。キャッシュであれば、何にでも使えますが、物に換えてしまっているとそうはいきません。商品は売れないことにはキャッシュにはならないのです。

 近い将来の資金繰りについて、“多分大丈夫”と言うように感じておられる程度であれば、念のために銀行から借入れをしてでも、多めのキャッシュを用意しておくことをお勧めします。

売上が全く無くても!

 「この先売上が全く無いとした場合に、会社は何ヶ月持ちますか。」
 今日、巡回監査で訪問した会社の社長様は、「来年5月までは、売上が全くなくてもやっていけます。」と言っていました。

 実際、何が起こるか分かりません。つい最近でも新型インフルエンザに驚かされました。弱毒性ということで、ひとまず安堵していますが、今年の秋以降、鳥インフルエンザのような強毒性のものが流行らないとも限りません。もし、そんなことになったら、経済は大打撃を受けることになります。

会社経営にリスクはつきものではありますが、一企業の努力ではどうしようもないような事態が起こるのが今の世の中です。だからこそ、現在は“キャッシュ重視”、内部留保、手元資金を豊富に持つ会社経営を目指したいものです。

黒字決算を支援する!? 2009年6月号

黒字決算にする意志

“会社を黒字にしたい”と思っていらっしゃいますか?

どうも会社を黒字にするには、
「黒字にしたい!」
という社長様の意志が必要な気がします。

社長様が心から黒字会社にしたいと思っているのであれば、
経営計画書を作成して、毎月予算対比で業績管理をして行くと、
黒字に転換して行きます。

「社長!ついに黒字になりましたね。」
「おかげさまで・・・」

そんな会話を社長様と笑顔でかわすことが
できることを有難いと思っています。

潜在意識に働きかける

業績が上向いた社長様に、その理由をお尋ねすると、

 「毎月、こうして会社の数字を見ながらいろいろと
説明を受けているのだから、否応なく数字が頭の隅に残りますよ。
そうするとね、不思議なもので、
結構、その数字になるのです。」

と話してくださいました。

数字を意識し行動する。まずは意識することが大切です。

いつも考えていると、私たちの脳はそれを
実現するように働きます。

潜在意識に働きかけ、かつ行動する。

新規事業を起こす社長様もいらっしゃれば、
一つ一つの改善を積み重ねて黒字に繋げる社長様もいらっしゃいます。

業績を伸ばす社長

こういう経済状況の中でも業績を伸ばしている会社はあります。

そういう会社の社長さんを拝見していると、

経営に前向きで、経営を数字で把握しているという
共通項が見えてきます。

税理士任せでは、後追いの経営になってしまいます。
高度経済成長期であったならば、真面目にやってさえ
いれば、特に“経営”を意識しなかったとしてもやって
いけたのでしょうが、今は全体が縮小している時代です。

経営努力をしている会社とそうでない会社とでは
大きな差が生まれてしまいます。

経営の羅針盤を持つ

社長様は会社の経営責任者です。

だから、自社の会社の状況も分からないままに経営する
などという怖い話はありません。

「税理士さんに領収書を渡して帳簿と
決算書を作ってもらっている。決算が終わってみないと
会社の数字は分からない。」

一昔前までであれば、そういうことでも済んでいたかもしれません。

でも、今の時代にそれで大丈夫なのでしょうか。

日々の営業努力、領収書・請求書の1枚1枚の積み重ねが、
会社の損益計算書になり、貸借対照表に結実します。

月次決算書で毎月の数字を把握し、経営計画と対比しながら、
経営の舵取りをしてください。

その先に黒字決算が待っています。

現状把握と次の打ち手! 2009年5月号

経営革新計画承認企業のその後

 以前、計画に取り組んで1週間で承認申請ができた会社の話をさせていただきましたが、その社長さんが、

 「先生! 一つ上手くいくと、次々と上手くいくものですね。
歯車が上手く回り始めたという感じです。」と弾んだ声でおっしゃいました。

 経営革新計画の承認が受けられた後、申し込んだ融資は全て満額OKとなり、資金面での余裕ができました。

 私は、会社は資金に余裕ができると、社長の心にも余裕ができるので、景気悪化の影響で売上の減少に会ったとしても、大丈夫だろうとは思っていましたが、

「先生!メーカーは減産しているけれど、
研究開発部門の予算は減らしていないので、ウチの会社には影響がないみたいです。」
ということで、売上も順調のようです。それが先の言葉になったというわけです。

 この会社に続いて、2週間弱で申請し、承認が取れた会社の社長さんも、革新計画に取り組んだおかげで、社内が活性化し、既存の業務の売上アップにも繋がっていると言います。革新計画も前倒しで進みそうだとのこと。

 また現在、革新計画に取り組んでいる社長さんは、
 「先生!この革新計画の承認申請は、計画作成に取り組むだけでも、充分価値ありますよ。」と話しています。

 なぜなら、申請書を作るためには、まず、会社の現状分析を行い、
その上で、これからの会社経営をどうするのかを考える必要があるからです。
 自社の現状分析を行った上で、現状打開のための打ち手を計画書にまとめること、その計画に東京都のお墨付きを貰うこと、
それが経営革新計画の承認申請作業なのです。

どんな新しいことを始めようとしているのか。
それは、新しい商品の開発なのか。
新しい作り方の開発なのか。
新しい販路の開拓なのか。
新しい売り方なのか。

①どういう商品(サービス)を、
②誰に対して、
③どういう方法で、
この3つのもののどれかに新たな取り組みがあれば良いのです。
④それをいつまでに行うのか、
⑤そのための資金はいくら必要なのか、

ということを申請書にまとめるのです。
この計画書の作成作業自体が会社経営にとても役立つと社長さんは言っています。

売上高より利益!

 この不況ですから、前年対比で20%~30%、場合によってはそれ以上の売上減少となっている会社もあるかと思います。

 しかし、売上高の増減がそのまま利益の増減になるとは限りません。粗利益率(売上高総利益率=売上総利益額÷売上高)の変動、経費の増減があるからです。

 たとえば、売上高1,000万円で粗利益率20%ならば、粗利益は200万円です。たとえ売上が800万円に下がったとしても、粗利益率が25%にアップしていれば、粗利益は同じ200万円なのです。

 逆に売上高がアップしていても、単純に喜べないこともあります。粗利益率が下がってしまっている場合があるからです。タスポ導入効果のコンビニで見られる現象です。“たばこ”は利益率が低いためです。コンビニはパスポ効果を如何に他の商品の購入に繋げるかにかかっています。

 コンビニで、この粗利益率(売上高総利益率)が計算できるのは、定期的に棚卸しをしているからです。棚卸しをしないと、正しい利益は計算できないのです。

 そうは言っても、定期的に棚卸しをしている会社は少ないのも事実です。
次善の策として、概算で棚卸しを行う方法もありますが、
迅速な経営判断のためには、タイムリーな現状把握が不可欠です。
月次決算は会社経営の羅針盤です。

やる氣さえあれば!お金をかけずにすぐにできる売上アップ作戦 2010年4月号

氣分次第の怖さ

 景気は気の景色とはよく言ったものだと思います。
 景気が悪い、これからもっともっと悪くなる・・・という話ばかりを聞いていると、 ついつい財布の紐が固くなります。
 不要不急の物は買わなくなると言われますが、 本当にそのとおりだと思います。

今までならば買っていたようなものさえも、我慢しておこうと思ってしまいます。 買うつもりがなくなってしまうのです。買うにも“買う元氣”が必要なようです。 買う“意欲”がないと買う氣が起きないのです。

 皆が買わなくなるのですから、消費が冷え込みます。それで景気はますます 悪くなります。悪循環に陥っていくのが理解できます。

 こういう消費者心理をどうにかしなくてはなりません。

買う氣にさせる働きかけ!

 だから、刺激策が必要です。国レベルで言えば、“何兆円の補正予算”とか、 “定額給付金の支給”ということになるのでしょうが、ご自分の会社は、 社長自らが、社員の氣持ちを盛り上げ、お客様が買いたくなるような働きかけを することが必要です。

①値下げする
 売上げが落ちている中で、値下げをしたら、ますます苦しくなるという声が 聞こえてきます。

②おまけをつける
 実質的な値下げとも言えますが、テレビショッピングでお馴染みの衝動買いを 誘いやすい手法です。

③店内改装
 お金がかかります。

④新商品開発・新商品開拓
 時間がかかりますが、やり続けなければなりません。

⑤耳目を集める
 特に、今回は耳について下記にまとめてみました。

店内に流す曲は?

 お店にはどういう曲を流していらっしゃいます?
 バックグラウンドミュージックと考えれば、静かな曲、気にならないような 曲が良いのもしれません。

 しかし、店内に流れる曲や店内放送には、大変な効果があります。

 ご自分が買い物をされている時、レストランで食事をしている時、如何でしょうか?
 元氣の良い店に入ると、ついつい、つられて買ってしまいます。

 下北沢に最近できたドラッグストアは、それに長けていて、皆が良く 知っている曲を替え歌にして、店の特売情報を流しています。店内を歩いていると、 いつの間にか一緒に口ずさんでしまいますし、ついつい商品を買い物カゴに 入れてしまいます。百円ショップが併設されているのも、その替え歌の効果を 倍増させているのだとも思います。

 “薬局”と言えば、薬剤師さんがいて・・・、静かで・・・、どちらかと言えば音とは 無縁な店舗も多いのですが、この店の元氣の良さは突出しています。店員さんに 学生バイトが多いのか、とにかく若くて元氣が良いのです。ただ元氣なだけ なのではなく、一定の接客方法を教育されていると感じます。

 このように、購買意欲を刺激するために、戦略的に音を使っている店も あるかと思えば、
 「なぜ、こんな曲を流しているの?これじゃあ食欲がなくなってしまう。」 と思うようなこともあります。

 従業員の好みで曲を流しているのかと思えるような場合や、お店の雰囲気に 似つかわしくない曲を流しているというような場合も間々あります。

耳に働きかける!

 陳列の仕方や盛りつけの仕方という“目”に対する働きかけは、皆様とても 大切にされていますが、"耳“に対する働きかけとなると、有効に実施している 会社は少ないように見受けられます。

 まだまだ売上アップの方法がありそうだとは思われませんか。

目指せ売上アップ!! 2010年2月号

伸びている会社はあるのだから

「こういう時代だから売上が下がるのは仕方ない。」と諦めてしまっていませんか。
「景気が悪いから」とか、世界的不況だから仕方がない。」と言っていても始まりません。
自分だけがこんな目に合っているというような過度な被害者意識を持つことは、百害あって一利なしですが、そうかと言って、皆悪いのだからと、何も手を打たないで漫然と時を過ごしてしまうのも勿体ないです。

努力している会社はあります。
業績を伸ばしている会社はあるのです。

気がついた時には取り残されていた、などということのないように、できることからやると決めて、行動に移すことが大切だと思います。


頑張るにも資金が必要!!

そうは言っても、目先の資金繰りに不安があると、営業をする意欲も湧いてこないと思います。
とりあえず、手元にお金があれば、売上が少しくらい下がっても、心の余裕が違います。

だから、「借入れはまだしなくても大丈夫。」と社長様が考えておられるくらいのうちに、借りられるお金は借りておかれた方が良いと思います。

昨年の会報にも書かせていただきましたが、早めの資金手当てをされた社長様方は、結果として皆様が「借りておいて良かった。」とおっしゃっておられます。

「手元にお金があるので、入金が遅れても心配しないでいられる。」
「目先の売上がなくても、営業の種まきができる。」
という声をお聞きすると、早めの資金手当ての大切さを改めて感じます。

もちろん、借りたお金は返さなければなりませんから、返済が待っているのも確かなのですが、こういう時代には、借りられる時に借りておくのが、会社を守る方策だと思います。

社長様の中には、借りたお金を使わないで、預金においておかれる堅実な方もおられます。
もっとも、そういう社長様は稀なのも事実です。
有ると使う必要が出てきてしまうのがオアシと言われる所以でもあるのでしょうから。


”入り”に合わせて”出”を考える

キャッシュフロー重視の経営を目指すことが、安心経営に繋がるのは間違いありません。
今までは、これだけ経費がかかるから、これだけの収入が必要だというように“出”に合わせて“入り”を考えてきました。
しかし、売上が伸びない状況では、入ってくるお金に合わせて、支出を見直すことが求められます。
経費一つ一つの費用対効果を考えて見直すことが求められます。入金の範囲で支出することが分かりやすいキャッシュフロー会計の基本です。

接遇で売上アップ!!

経費を見直すことは大切ですが、経費の切り詰めだけでは、職場の士気が低下してしまいます。
やはり売上が伸びてこそ社員の士気も上がり、職場の雰囲気も良くなります。結果、お客様への対応も益々良くなるという好循環が生まれます。

最近、“接遇”という言葉を耳にされた方もおありではないかと思います。
テレビでも紹介されましたし、セミナーや書籍の出版もされておりますから、ご存知の方も多いと思いますが、接遇の第一人者の平林都さんの書籍である「平林都の接遇道」(大和書房)には、

人に好印象を与える人の3条件として、
  • 1.笑顔の人
  • 2.自分から挨拶をする人
  • 3.自分から動く動作がみられる人
をあげています。

1.2.は分かりやすいのですが、3.は少し説明を要します。

平林さんの言葉で言うと、「店員さんがいくら心で『お客様を喜ばせて差し上げよう』と思っても、行動に表わさなければ、何にも伝わらないのと一緒です。」ということになります。

心の中で思っていても外からは見えない。外から見えるように行動に表わす。人はその人の行動を見て評価するのです。

例えば、お店に入ったときに、なかなかオーダーを取りに来てくれなくて、やっと来たかと思えば面倒くさそうに注文を聞くような店員さん。今はこういう店員さんは少なくなりましたが、それでも、たまに出会うことがあります。

お店としては、お客様第一、お客様に喜んでいただきたいと思っているのでしょうが、一人の店員さんの行動が、お客様に全く逆の印象を与えてしまっているのです。

接遇には設備投資はいりません。お金をかけなくてもすぐにできます。やると決めて、取り組むめばすぐに効果が表れるのが接遇だと思います。

年末資金のご準備は? 2010年1月号

年末資金のご準備は早めに!

今年もそういう季節になりました。
会社の年末資金の手当てはお済みですか。
経済環境はまだまだ危うくて、先の売上見込みに不安を感じておられる社長様も多いのではないかと思います。
「今はまだ大丈夫だけれど・・・」という社長様も、早めに資金手当てをされておくのにこしたことはありません。
「毎年借りているから大丈夫!」とは思いますが、
今年も借りられるかどうかは、実際のところは
申し込んでみなければ分かりません。
融資の審査が下りてさえいれば安心というものです。
融資実行の日は任意にすることも可能なのですから。
融資をお考えの社長様は、今すぐ融資のご相談を!


日本政策金融公庫に変わりました

「『日本政策金融公庫です。』と言って電話をしても、切られてしまうのですよ。」
日本政策金融公庫の社員は、今、昔から馴染んだ名称が変わったことでかなり苦労をしているようです。

国民金融公庫が国民生活金融公庫に変わったときは、それ程でもなかったようですが、2008年10月1日に株式会社日本政策金融公庫に変わったことは、その時の比ではなくて、先の電話のように、「うちの会社は、そんなに大きな金融機関とはご縁がありませんので。」と言われて、話も聞いてもらえないうちに、電話を切られてしまうことがあるのだそうです。

日本政策金融公庫は、日本政策投資銀行に似ていますから、勘違いし易いのでしょうね。
正直、「国金、こくきん」と言っていた頃と比べると、名称に馴染みがないのは事実で、私がお客様に融資のご説明をさせていただくときでも、「昔の国金、今は日本政策金融公庫って言うのですけれども・・・。」といちいちお断わりさせていただいてからご説明させていただくようにしています。
いくら「日本公庫」と呼んで下さいと言われても、その略称も耳慣れていないところではあります。


意外と使える融資制度!

日本政策金融公庫が行っている“セーフティーネット貸付”をご存じですか。
政府の緊急経済対策の一環として、行われている今年度限り(来年3月まで)の融資制度で、結構使えると思います。

日本政策金融公庫の融資というと、「保証人が必要なのでしょう?」と聞かれますが、最近は、第三者保証がなくても借りられるようになっています。それが、上乗せ金利です。

セーフティーネット貸付では、通常の金利に年0.3%の金利を上乗せすることで、第三者保証人が不要となるのです。
考えてみれば、通常の借入れの場合には、信用保証協会を使うので、銀行に対す金利の他に、保証料がかかることが多いわけですが、日本政策金融公庫からの借入れには、信用保証料がかかりませんから、この上乗せ金利を払えば、第三者保証人は不要となる、この制度はお客様からは好評です。

それと、“おまとめローン”が便利です。複数回にわたって借入れをしているような場合には、元本返済が高額になりがちですが、これを一本の借入れにまとめて、返済期間を延ばして、毎月の返済額を減らすことができます。
通常、売上が下がると、⇒返済額は変わらない⇒資金不足⇒また借入れ⇒返済額が増える、という悪循環に陥りがちです。おまとめローンは、この問題を解決してくれる方法でもあります。

旧国金の借入れというと、既存の借入金の返済が半分以上進んでいないと、次の借入れができないのですが、今回のセーフティーネット貸付は特別で、7割8割残っているような状態でも、次の融資や“おまとめローン”を検討してくれるそうですので、ご相談されてはいかがでしょうか?
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